ホーム > 関連専攻における大学院生の研究
木材化学研究室(教員:横山)
リグニンは木質バイオマスを形成する主成分の一つで、セルロースに次いで地球上に多量に存在する天然高分子ですが、ほとんど利用されていないため、利用方法の確立が急務です。リグニンを使用する場合、化学処理を行うのが一般的です。私は、リグニンのアルカリ性下での反応において重要なキノンメチド中間体について、これの生成に対するリグニン自身の構造の影響について、詳しく調べています。
山内 富由
森林化学研究室(教員:五十嵐)
かびやきのこと呼ばれる微生物は、様々な酵素を生産してバイオマスを分解し、栄養源として利用しています。森林化学研究室では、それぞれの酵素の機能を研究することで、これらの微生物の持つバイオマス分解システムへの理解を深めています。ヘミセルロース・ペクチンの酵素分解の全容はいまだ明らかではありません。私は、その一つであるα-I-アラビノフラノシダーゼという酵素について研究に取り組んでいます。
木根 啓太
製紙料学研究室(教員:斎藤)
木材パルプ繊維をナノレベルまで解きほぐすと、セルロースナノファイバー(CNF)となります。CNFは高弾性率・低熱膨張率・高誘電率等の優れた材料特性を有しており、木材由来の新規ナノ素材として近年注目されています。私は、これらの特性を発現させているCNFの結晶性について解析を進めており、物性制御へと展開することを試みています。先端材料に触れ日々研究することは新たな発見もあり、とても楽しくやりがいを感じます。
大長 一帆
生物素材科学研究室(教員:竹村)
近年、CLT(直交集成板)の利用は世界的に伸びを見せ、国内でもその利用が推進されています。CLTとは木の板の繊維方向が直交するように重ねて接着したパネルで、接着性能はパネルの性能に影響を与えます。CLTの性能がより良いものとなるように、私はスギと1液型ポリウレタン接着剤を用いてCLTを模した試料を作成し、接着強度試験や、接着断面の顕微鏡観察・画像解析を行うことで、良好な接着性能を持つための指針を得ることを目的に研究に取り組んでいます。
高山 夏子
高分子材料学研究室(教員:岩田・榎本)
植物などから得られる多糖類を化学修飾すると、プラスチック化できることが知られていますが、昆布などの海藻類に多く含まれるアルギン酸という酸性多糖は、プラスチック材料化に向けた研究がほとんどされていません。そこで私は、アルギン酸を化学修飾したエステル誘導体を合成することでプラスチック材料化を試み、その物性を調べました。今後は、アルギン酸やその他の多糖類も用いて、プラスチックのみならずゲルなどの機能性材料の開発を進めていきます。
松本 悠佑