専攻長から

専攻長から

専攻長:信田聡(木材物理学研究室  教授)

地球温暖化防止、環境共生、バイオマスの有効利用、バイオテクノロジー、ナノテクノロジー、省エネルギー等々のキーワードは多くの分野で研究開発課題として取り上げられ、様々な角度から推進されています。「自然の恵みを人々の生活の中に積極的に取り入れる」ということは資源の循環性や経済性を基盤として、化石資源偏重の経済成長、近代化に疑問を呈し、国際的な枠組みの中で人類の将来に対して貢献しようとするものです。

私たちが取り組んでいる研究対象の中心は木材をはじめとするバイオマスです。バイオマスは生物がつくる有機資源の総称と定義することができますが、化石資源に匹敵する資源量を考えると森林が最も重要なバイオマス生産の場と言えます。再生可能な森林資源の積極的で有効な活用方法の開発とサステナビリティを検討することは環境に直接的に関与するものです。さらにこれ以外にも農林水産廃棄物、古紙や都市ゴミなど、私たちの周りのあらゆる所に二次的なバイオマス生成の場があります。このようなあらゆるバイオマスを効率よく組み合わせて循環利用していくことで、持続性のある安定した人間社会を創り上げていくことが可能になると考えられます。

生物材料科学専攻で展開している、バイオテクノロジー(生物工学)、グリーンケミストリー(環境に優しい応用化学)、そしてマテリアルエンジニアリング(材料工学)は「環境の時代」を構築する上で何れも重要でかつ先端的な分野です。本専攻で具体的に取り扱っているバイオマス利用技術は、木材および木質材料の物性評価・開発と、その利用分野としての木質住宅や構造物の設計・建築・居住性評価をはじめ、情報媒体や多くの生活資材として重要な紙の製造と高機能加工、バイオプラスチックの開発、新しい機能食品や生理活性物質の開発などさまざまな分野に生かされています。また、これらのバイオマス利用におけるリサイクル技術や環境影響評価なども本専攻の対象領域です。

生物材料科学専攻がめざすところは、バイオマスという自然の恵みを私たちの生活に積極的に取り入れ、豊かで持続性のある新しい環境共生社会を構築するための技術を開発していくことにあります。生物学、化学、物理学、数学ほか基礎的な知見を広く応用しながら、未来へ続くプロセスを担う人材の育成を主眼において教育および研究を進めています。

  • 生物材料物理学研究室
  • 木質材料学研究室
  • 製紙科学研究質
  • 森林化学研究室
  • 木材化学研究室
  • 高分子材料学研究室
  • 生物素材科学研究室
  • 環境材料設計学研究室(アジア生物資源環境研究センター)
  • 生物素材化学専修 東京大学農学応用生命科学課程
  • 木質構造科学専修 東京大学農学応用生命科学課程
  • 農学生命科学研究科 生物材料科学専攻 木造建築コース