木材物理学研究室
研究室のホームページ http://park.itc.u-tokyo.ac.jp/bmp/
研究の内容
木材物理学研究室は、木材をはじめとする生物の作った組織が材料としての物性をどのようにして発現するのか、その機構を解明しようとしています。
木材は、木造建築の部材としての機械的強度に加え、室内の湿度を調節したり、振動を吸収したりと、多くの機能を持っています。その物性には、分子構造や細胞構造、使われる環境までさまざまなレベルの因子が絡み合ってきます。この仕組みを明らかにします。
木材の性質とそれを使う人との関係も大切です。自然科学の領域を越えて、木を使う時の人々の生理・心理や、木材をはじめとする生物材料を社会に定着させるための制度のあり方についても研究します。豊かな「すまい」を未来に引き継いでいくため、生物の作るモノとヒトとの間を自由な発想でつなぎます。
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X線CTによる腐朽材の観察
(木材物性の評価)
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木と人の関係の科学
(物性と感性をつなぐ)
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住宅などの温熱住環境の評価
(住環境のアメニティ)
最近の研究題目
- ・バスーンリード用葦材の視覚的特徴と物性
- ・表面に防湿・防水層を持つ木材中の水分移動について
- ・内装の木材被覆による接触温冷感の変化に関する検討
- ・一対比較法による国産主要木材50種の視覚的好ましさの評価
- ・木材外装材の紫外線反射に関する研究
- ・無塗装材の表面処理と汚れにくさ
- ・木材に腐朽が生じた時の密度・強度分布の経時変化に関する研究
- ・構造材に腐朽が生じることによる構造物の倒壊シミュレーション手法の構築
- ・木材の吸音性性能に関する研究
- ・木材における液体の移動現象とぬれに関する研究
- ・木材の乾燥スケジュールに関する研究
- ・木材および木質材料をさまざまな温湿度環境に長期間置いたときの放射方向の含水率プロファイル変化に関する研究
- ・軟X線による木材および木質材料の内部の含水率分布評価
- ・高温加熱処理した木炭の熱的性質の変化について
- ・木造住宅の居住快適性の研究
- ・熱処理による木質系断熱材の断熱性向上