生物素材科学研究室
研究室のホームページ http://www.fp.a.u-tokyo.ac.jp/lab/sozai/
研究の内容
接着の技術は紀元前のエジプトから利用されています。しかしその現象は未だに科学的に解明されていません。物をくっつけることはできても、そのメカニズムが分かっていないのです。
私たちは走査型プローブ顕微鏡や二次元相関分光法といった新しい分析手法を用いて、接着剤の表面や界面の、ナノレベルの特性や化学構造を明らかにしてきました。また、接着剤の木材への浸透性を数値化しそこから導かれる接着特性を推定する方法を構築しています。これらの技術をキチン複合材料等の生物素材の解析にも応用しています。
さらに、やわらかい高分子やヤモリ模擬粘着剤における粘着・剥離の動力学、 高分子ゲルを用いた室内実験における巨大地震発生過程、メカニカルメタマテリアルの 巨大変形・破壊挙動、やわらかい固体の超高速すべり摩擦など、高分子の界面力学やそこから派生した新しい学問領域に関する基礎的・実用的な研究にも力を入れています。
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2D-COSによる接着剤の化学構造の同定
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広葉樹で作製した合板の接着断面における接着剤の浸透の様子
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すべり速度が固体の弾性波速度に比べて小さいとき(上)と大きいとき(下)のすべり挙動
最近の研究題目
- 1. 新規粘着剤の開発と原子間力顕微鏡を用いた粘着特性の解析
- 2. 接着剤の木材への浸透性の数値化
- 3. 粘着剤における粘着・剥離のレオロジー
- 4. 樹皮から調製される新規材料の開発
- 5. 室内実験を用いた巨大地震発生機構の解明
- 6. メカニカルメタマテリアルの巨大変形・破壊機構の解明
- 7. やわらかい固体における超高速すべり機構の解明