木材化学研究室
研究室のホームページ http://www.woodchemistry.fp.a.u-tokyo.ac.jp/
研究の内容
自然界における有機炭素の循環を模造する手法は、バイオマス利用の重要な柱です。当研究室ではリグニンを化学修飾し、土壌有機物が欠乏した地域や酸性土壌の改良剤に用いる研究を行っています。
樹木は巨大な構造物であり、その細胞壁は力学的負荷に十分耐える構造を有しています。当研究室では、リグニンの立体構造を解析する手法を開発し、天然有機物としてはユニークで独特な立体化学上の特徴を明らかにしました。この立体化学的特徴は、植物細胞壁の力学的強度に大きく寄与していると考えています。
現存するバイオマスの化学的利用法として最も大きなものは、化学パルプの製造です。これをより効率がよい方法、環境負荷が少ない方法へと転換していくために、当研究室で行われている主要3成分(セルロース、ヘミセルロース、リグニン)の化学についての基礎的研究(化学構造、反応性、分子集合体の構造)は欠かせません。
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化学修飾リグニンは
植物根成長阻害物質を除く
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リグニン立体構造の解析には
モデル化合物の合成が不可欠
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パルプ表面の原子間力顕微鏡像
最近の研究題目
- 1. リグニンの化学修飾による土壌改良剤の開発
- 2. リグニンの立体構造を規定する要因についての研究
- 3. 原子間力顕微鏡・電子顕微鏡よるパルプ表面構造のナノオーダーレベルでの解析
- 4. 化学パルプの漂白過程におけるリグニンと多糖類の反応機構に関する研究
- 5. セルロースをベースとする超高吸水性材料の開発
- 6. オゾン分解法、HSAB試薬法等の新しいリグニン化学構造研究法の開発
- 7. 化学パルプ化反応過程におけるリグニンの構造変化の研究
- 8. 熱帯産超早成樹のパルプ化に関する研究
- 9. セルロースの高機能性化の研究
- 10. 草本系バイオマスの有効利用のための基礎的研究